サービスの仕組

サポートセンターはシステムを開発する技術者、組織、プロジェクトチームに支援のサービスを供給する。技術者はサポートセンターに支援を依頼する。サポートセンターは技術者の依頼を受け、彼とサポーターを引き合わせる。そして、サポーターは技術者を支援する。

 

技術者は処理の仕方が分からない課題や事態に遭遇してサポートセンターに連絡する。サポートセンターは技術者に依頼書を発行するように案内する。技術者は遭遇した課題や事態の説明、自身の連絡先を記載して依頼書を作成し、発行する。サポートセンターはそれを受け取り、技術者の依頼をリストに登録する。

 

サポートセンターにはそれぞれ特定の技術に詳しい多数のサポーターが勤務する。サポーターは依頼のリストを調べ、課題や事態の説明を手掛かりにして応じるものを探す。サポーターは課題や事態への対策を推測できる依頼が見つかれば、依頼主の技術者に連絡する。サポーターは技術者に課題や事態の詳細、すでに行った対策などを尋ね、回答を得て推測した対策を行う余地があるかを検討する。サポーターはそれがあると判断すれば技術者の依頼に応じ、彼を支援する。サポーターは技術者が課題や事態を処理するのを援助する。

 

サポーターは推測した対策を行う余地がないと判断すれば技術者を支援しない。また、サポーターは対策を行ったものの、課題や事態を処理できなければ技術者の支援を打ち切る。数人のサポーターが技術者の支援を試みる内にある者が推測して行った対策が成功し、技術者が遭遇した課題や事態は処理される。サポートセンターはなかなか対応が完了しない依頼への対応に懸賞を付けることもできる。

 

技術者は支援を依頼する際、課題や事態を処理する技術を示す。それにより、サポーターは得意とする技術に関するものに絞り込んで応じる依頼を探せる。

 

大抵の場合、技術者は課題や事態を処理する技術を示せる。技術者は扱っているある技術を詳しく知らないために遭遇した課題や事態の処理の仕方が分からない。または、技術者はあるコンピューターやソフトウェアの利用、ある技法の採用を検討しており、それによって課題を処理できるかを知りたいと思う。そのような場合、技術者は課題や事態を処理する技術を示せる。

 

技術者は課題や事態を処理する技術を示せないこともある。技術者は複数の技術を扱っており、課題や事態を処理する技術がその内のどれであるかを特定できないことがある。また、技術者はある課題を処理するために利用できるコンピューターやソフトウェア、採用できる技法を漠然と知りたいと思うことがある。そのような場合、技術者は課題や事態を処理する技術を示せないので、課題や事態の種類を示して支援を依頼する。それにより、サポーターは得意とする技術と関係の深い課題や事態に関するものに絞り込んで応じる依頼を探せる。

 

知的支援事業は人が課題や事態に遭遇する前にその処理に必要な知識を獲得することを可能にする。それにより、さまざまな課題や事態は迅速に処理されるようになる。現在、技術者はしばしば課題や事態に遭遇してから技術の情報を調べ、それへの対策を模索している。技術者は苦労して見慣れない課題や事態を処理しているのである。しかし今後、サポーターはすでに獲得した知識を役立てて課題や事態を処理できることを条件として応じる依頼を選び出す。サポーターは常に見慣れた課題や事態に向かい、それをたやすく処理するのである。

 

サポートセンターは支援のサービスを内部にも供給し、サポーターは他のサポーターの支援を受けられる。サポーターはある課題の処理に取り組むことによってそれとつながった他の課題に遭遇する。また、サポーターはある課題や事態の処理に取り組むことによって予期しない事態に遭遇する。サポーターや彼に支援される技術者はそのような派生的な課題や事態を処理できないかもしれない。派生的な課題や事態を処理する技術はサポーターや技術者が得意とするものと異なることがあるからである。そこで、サポートセンターは処理の仕方が分からない課題や事態に遭遇したサポーターをその課題や事態を処理できる他のサポーターに支援させる。

 

サポートセンターが支援のサービスを内部に供給することにより、サポーターたちはさまざまな技能を結集して複合的な課題や事態を処理できるようになる。