沖縄の貧困問題の解決

(本項は電子掲示板「沖縄のうわさ話」様に投稿した考察を手直しして作成しました。)

 

 私は地域の経済発展に貢献したいと思っていました。最近、『沖縄の不都合な真実』(大久保潤氏、篠原章氏の著書)や『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』(樋口耕太郎氏のネットの記事)を読み、地元の貧困が深刻化していることに気付きました。そして、事業を地元の貧困の削減に役立てようと考えるようになりました。

 

ここに、私は沖縄の貧困問題の概括と解決案を説明します。

◆ワースト1の貧困

・沖縄県の貧困率は34.8%であり、全国で最も高いです(全国平均は18.3%)。子供における貧困者の割合は37.5%であり、これも最も高いです(全国平均は13.8%)。

※山形大学戸室健作氏が2012年について調査した結果です。

・沖縄県の一人当たり県民所得は210万2000円であり、全国で最も少ないです(全国平均の7割弱しかありません)。

※内閣府が2013年について調査した結果です。

・沖縄県の一般(フルタイム)労働者の平均年収は349万8800円であり、全国で最も少ないです(全国平均の7割強しかありません)。

※「性、都道府県別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(男女計)」(2016年)を基に計算しています。

◆産業の不振

・沖縄地方は他の地域と離れて存在し、輸送のコストが嵩むために外部向け製品の生産に適さず、工業化が遅れています。地域の工業化の遅れは沖縄県民の貧困の大きな原因になっていると考えられます。

※工業化は人々の所得を引き上げます。一人当たり県民所得(2013年)が上位の10都県(①東京都、②愛知県、③静岡県、④滋賀県、⑤栃木県、⑥三重県、⑦富山県、⑧茨城県、⑨山口県、⑩広島県)はすべて工業地帯を持ちます(滋賀県は阪神のためのベッドタウンを発展させたため工業地帯を持つと言えます)。

・沖縄県民の生産額は公共サービス、基地関連サービスによるものを除くと小さいです。

-県民の労働報酬の約4分の1は合わせて被用者の1割に上る公務員(自衛隊員などを含む)と米軍基地従業員が受け取っています。

※2009~2010年に関する推計です。『沖縄の不都合な真実』第五章参照。

◆労働条件の悪さ

・沖縄の事業者は従業員に労働の報酬を支払うことをとても渋ります。

-事業者は地域ぐるみで低賃金という不文律を守ります。好待遇の求人を行う違反者は村八分にされます。

※『沖縄から貧困がなくならない本当の理由(3)低所得の構造』参照。

◆知識産業を活路に

沖縄県民の所得を増やすためには、価値あるものの生産活動を増やすことが必要です。私は私の考えた「サポート」という新サービスを行えば国内市場のためだけでもフルタイムで働く約6万人分の仕事を作り出せると見込んでいます。サポートは喩えれば「Yahoo!知恵袋」さんのようなQ&Aサイトの進化版です。それは以下の特徴を持ちます。

 

①幅広い技術に接する現代人を専業のサポーターたちが支援します。

②サポーターは一つに集中して技術を扱います(知識獲得の分担・効率化)。

③音声通信によるコミュニケーションも手段となります。(文字情報のやり取りは実現しやすいですが、万能でありません。)

 

※新サービスは、各依頼に対して対応を検討するサポーターが多数いる点や顧客層がコールセンターと違います。

◆コンピュータネットワークの進化

サポートは知識サービスの一種です。ウェブ(情報検索や電子掲示板)が只同然で飲める水道水だとすれば、知識サービスは上等で、有料のボトル飲料水に当たります。多くの人は知識サービスを利用して仕事や生活を快適なものにするようになるでしょう。技術や制度が発達するほど、知識サービスへの需要は増大します。

◆地方の不利の解消

・知識サービスは沖縄の生産者が顧客との距離を気にせずに行うことができます。

-サポーターは家などで行う職業となり、家事労働と両立しやすいです。

・知識サービスが広く行われれば、沖縄県民は県外の企業に勤務できるようになります。そのことが沖縄企業に従業員の待遇を改善するように促します。