情報化を越えて豊かな社会へ(ポストIT化)

支援のサービスの誕生は社会を豊かにします。

 

現在のところ、インターネットの情報やサービスの登場は社会を豊かにしていません。インターネットの世界は1990年代の半ばに体験する人が増え、それ以降急速に広まりました。多くの人や組織がウェブサイトを通じて情報を発信したり、サービスを提供したりするようになり、人々はそれを利用するようになりました。今や、多くの人はどこにいても情報機器を操作して知りたいことの情報やニュースを検索し、受け取ることができます。また、多くの人は電子メールやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用して知人と連絡を取ったり、電子掲示板を利用して不特定の相手と情報交換したり、共有動画やゲームを楽しんだり、ネットショップを利用して買い物したりすることができます。

 

インターネットの情報やサービスは人々に大きな利便を与えています。ところが、それらの登場は社会を豊かにしていません。多くの人は際限なく生産される情報やサービスにさほどの価値を見いだしておらず、それを利用するために広告を受け取ることはあっても料金を支払うことはありません。インターネットの情報やサービスには際限なく生産され、広告が付き、無料であるテレビ放送と同じ程度しか価値がありません。

 

ただし、インターネットの情報やサービスは出版物、新聞、ビデオのディスクなどにとって代わり、多くの人は一部の有償の商品を選ばなくなりつつあります。自動車、カラオケのような身近な娯楽、パチンコのようなギャンブルなどの有償の物やサービスの人気が衰えたのも人々がインターネットの豊富な情報を楽しむようになり、街中にある限られたものに関心を向けなくなったからでしょう。インターネットの情報やサービスにさほどの価値がなく、その登場が社会を豊かにしなかったことは日本の経済成長率が1990年代の半ばからの20年間に低迷したままであったことに表れています。

 

長い間、多くの人が消費する有償の新しい物やサービスが登場しなかったのは特別な事情があったからでなく、たまたまそのような物やサービスが考案されなかったからです。

 

支援のサービスは情報システムの開発を軽快にするために考案されました。このサービスは次のような特徴を持ちます。第一に、このサービスは技術に基づく問題解決のために利用できる情報検索や電子掲示板よりも強力な手段として多くの人に必要とされます。このサービスを利用すれば、多くの人はサポーターたちが分担して獲得する技術の知識の全てを使うことができます。第二に、このサービスはサポーターによって行われ、生産のために人件費が掛かります。第三に、このサービスは今の世界に存在しないために開発され、代用物が現れるために長い期間を要します。発達し続ける技術に向き合う多くの人はこれらの特徴を持つ支援のサービスを大きな価値があり、対価を支払うに値すると評価することができます。社会は人が大きな価値を見いだす新しいものを生産できるようになるとき、豊かになります。支援のサービスの誕生は社会を豊かにします。

 

社会は他者の要求を満たす活動を行う人が増えるとき、豊かになります。知的支援事業が行われれば、とても多くの人がサポーターの職に就いて他者の要求を満たし、労働の報酬を得ることができます。さらに、労働力への需要が高まり、人々の賃金は引き上げられます。